「峰の色、谷の響も皆ながら、吾が釈迦牟尼の声と姿と」
『道元禅師和歌集』(傘松道詠)
夏が深まる中、山は深い緑を湛え、谷あいには清流の音が響く。
道元禅師はそうした山の色、谷に響く音もすべてが仏さまの説法であると説かれています。
お経や書物に書かれているものだけが教えではなく、自然すべてが教えである。そうした教えを短歌の形にあらわされています。
8月は夏休み。山や海へ足を運ぶ機会が増える季節です。
深呼吸をして、五感をひらき、自然に耳を澄ませてみましょう。
そこには、文字や言葉では尽くせない、いのちの教えが息づいています。
その教えとは、難しい理屈などではありません。今この私が、この身体が生きているという尊さを教えてくれているのです。
どうぞ、それぞれの場所で「書かざる経」を味わい、いのちの尊さに耳を澄ませてください。

