「知恩報恩」
7月に入り、雨の合間に日差しの強さが増してきました。まだ梅雨の名残を感じながらも、草木の緑が濃さを増し、夏の気配がひたひたと近づいてくる頃です。
東京では7月がお盆になります。ご先祖様をお迎えする、ご供養の季節です。
今月の言葉は「知恩報恩」。恩を知り、その恩に報いる、という意味です。私たちのいのちは、自分一人の力だけで成り立っているものではありません。「自分の力で生きていく」ということが大切にされる時代ですが、私たちは誰しもが、自分だけでは生きてはいけず、生まれてくることもできません。
父母、祖父母、そのまた先のご先祖さま。さらには、日々の暮らしを支えてくださる多くの人々、自然の恵み、仏さまの教え。数えきれないご縁に支えられて、今日の私があります。
お盆のご供養は、亡き人をただ遠くに偲ぶだけのものではありません。手を合わせることで、いただいてきた恩に気づき、今の自分の生き方を静かに見つめ直す時間でもあります。また、大安寺では7月4日に施餓鬼(施食会)のご供養を営んでいます。これは直接のご縁のある方々だけではなく、縁のない方々にも供養の心を巡らしていく大切な機会です。
この夏、亡き人を想い、ご先祖さまに感謝し、自分のいのちが広いつながりの中に生かされていることに想いを馳せながら、今ここにあるご縁を大切に過ごしてまいりましょう。

